デザインとアートの違い

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 デザインとアートの違いはちゃんとある

デザインとアートの違いについて正解なんてないんですが、納得した表現に出会ったのでまとめ。そして、この違いを考えることが「良いデザイン」に繋がるかなと。

 

『アートは'implicit'、デザインは'explicit' 』

 

まず初めに、二つの有名な違いとされている「アートは問題定義、デザインは問題解決」は正しくない。というよりこの定義ではアートとデザインの区別は難しくなってきている。そして、アートは自己発信というのも違う。デザインにも作り手のストーリが求められているから。

 

そこで作られる過程や役割の違いで区別するのは無理がある。つまり、アートとデザインの違いは作り手側から能動的に定義するのではなく、受動的な視点から捉えることとでその区別が明確となる。そこで、 Hello world ( Rawsthorn, 2013 ) で紹介されている流れを参考にまとめていきたいと思う。

 

'design art'

ふたつの区別を曖昧にした言葉である。Rawsthornによると、この言葉はアートオークションにおいてデザインがアート作品と同等の質を持っていることを示すために使われた造語である。つまり、このことによってデザインを目的にデザインされたものがアートの価値判断の枠組みで評価されたのである。この話のイメージは掴みにくいのだが、'Lockheed Lounge'(1988) by Marc Abdrew Newsonのイメージを見ればすぐに分かる。

 

冒頭にも述べた目的の違い、問題定義と解決については'speculative design'という概念がデザインをリードしていることは明らかだろう。Speculative everything(Dunne, A. and Raby F, 2013) で紹介されている(a)から(b)への移行がデザインをとりまく環境の変化を表してる。

 

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 デザインがデザインである目的を果たすための新しい手段はすべての物事の可能性を可視化し、人々がそのことについて会話、議論する機会を提供するのである。

 

ではその区別は冒頭でも述べたように手段、過程、目的でなく認識で判断すべきである。

 

'explicit or implicit'とは「明示と暗示」のことである。

 

アートは暗示的で良く、それが何なのか理解する必要がない。むしろ認識による理解を必要としていない。一方でデザインされた物事はその目的を明示的に認識される必要がある。イームズはデザインが何かという問いに「デザインは目的の表現である」と答えた。つまり、明示的でないデザインも世の中には存在するが、良いデザインはその目的が誰にも明らかである。(感覚的な理解も含む)

 

しかし、椅子が誰かが座ることを目的にした物体でなく、違う目的を達成するために椅子という手段を選択している可能性もある。そして美術館にポツンと置かれていたりする。これも、見たときにその違う目的が理解できるなら良いデザインと判断すれば良い。それが誰にも明示的でないならアート作品と思えばいい。要するに明示的な良いデザインを信じればいい。明示的でない悪いデザインのせいでアートとの区別に苦しむ必要はない。

 

最後に、アートは理解する必要はないと言ったが、理解はできると考えている。良くなぜあんな絵が何十億とするのかという話があるが、その作品を前後の様々な流れの知識とともに見たときに価値が生まれる理解があるのだと思う。その理解がアートの市場原理だと思う。自分でもよくわからないのでこのことは勉強します。